アセムスタジオ

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活字に触れて

 

 

「初めまして、しらかた ていです。」

 

「テイですか、珍しいですね。・・・中国人ですか?」

 

「いえ、純粋な日本人です。」

 

これまでこんな会話を何度もしてきました。

 

「てい」という名前は珍しく、祖父がつけてくれました。

携帯やパソコンで「てい」と打っても「禎」しか出てきませんが、

本当は古い字で「示貞」と書きます。

HPの文字はデザイナーさんに作ってもらいました。そんな古い漢字を先週、台湾で見つけました。

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台北にある繁体字を鋳造、販売している世界で唯一の活字屋さんへ行きました。

繁体字とは簡略化されていない昔のままの漢字のことです。

店内には活版印刷に使う活字がずらっと並んでいます。

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初めて見る光景と一面に漂う鉛の匂いに圧倒されました。

一般にも活字の販売していたので、自分の名前を探してみました。

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膨大な数の活字の中から目立ての字を探し出し、文字を作っていく。

昔の雑誌や本、新聞を印刷する時には普通なことですが、私には新鮮に感じられました。

隣にある全く違った意味の文字に「寄り道」しながら、

なんとか自分の名前を見つけることができました。

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パソコンで文字を打つのとは「出会い」と「刺激」の量が違い、

ワクワクした気持ちで活字と向き合うことができました。

「禎」ではなく「示貞」という字を見つけられた時は、

「やっと出会えたか」という不思議な感覚になりました。

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台湾の街並みは漢字ばかりで頭が痛くなりそうでしたが、

改めて「字」を意識することができた気がします。

 

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白潟 示貞

2018-11-30 5:47

白潟 禎
Tei Shirakata

フォトグラファー

1988年生まれ 松山大学卒業

20歳で写真を始め、カンボジアの地雷原に住む人たちを3度取材。

2009年「日本ドキュメンタリー写真ユースコンテスト」優秀賞受賞

2011年共著「アジア×カメラー正解のない旅へー」出版