トーベ・ヤンソン
愛媛県美術館で先週まで行われていた『ムーミン展』
ムーミンのアニメよりも、絵本の挿絵など、原画を見て育った私。
子供の頃は、モノトーンの挿絵がずいぶんと怖かったのを覚えています。
今ではいろんなカラフルなグッズや絵になって
みんなに愛され続けているムーミンのキャラクター達ですが、
アニメと原画ではずいぶんと絵のタッチや雰囲気が違うので
びっくりされた方もいるのではないかと思います。
図録を購入したので、懐かしむ思いで日々眺めています。
一番好きな絵は、むかし、一番怖かった絵。
戦争が起こす大惨事を題材に扱っていると、後に知りました。
1968年「ムーミン谷の彗星」の挿絵です。
原作『ムーミン』は、社会風刺的な色合いが非常に強く、
戦争を経験した作者の暗い記憶と、平和への願いが込められていて、
この戦争の時期を、作者は「失われた時代であった」と語っている。
生きている上で起こる事件や災害、困難をファンタジーで表現しているので、
大人になって改めて読むと、深く沁み入るものがあります。
また、原画のほとんどがインクで描かれており、
線の美しさと力強さに、インクの良さを再確認。
私もたまに絵を描きますが、色はつけず白黒のみ、ということも多く
トーベ・ヤンソンの線画やデッサンには、
少なからず影響を受けているような気がします。
もうずいぶんとインクは使用していないので、
また、インクを使ってみようと思います。
2015-03-18 6:04