アセムスタジオ

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トーベ・ヤンソン

imageトーベ・ヤンソン生誕100年を記念して、

愛媛県美術館で先週まで行われていた『ムーミン展』

 

ムーミンのアニメよりも、絵本の挿絵など、原画を見て育った私。

子供の頃は、モノトーンの挿絵がずいぶんと怖かったのを覚えています。

 

今ではいろんなカラフルなグッズや絵になって

みんなに愛され続けているムーミンのキャラクター達ですが、

アニメと原画ではずいぶんと絵のタッチや雰囲気が違うので

びっくりされた方もいるのではないかと思います。

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図録を購入したので、懐かしむ思いで日々眺めています。

 

一番好きな絵は、むかし、一番怖かった絵。

戦争が起こす大惨事を題材に扱っていると、後に知りました。

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1968年「ムーミン谷の彗星」の挿絵です。

 

原作『ムーミン』は、社会風刺的な色合いが非常に強く、

戦争を経験した作者の暗い記憶と、平和への願いが込められていて、

この戦争の時期を、作者は「失われた時代であった」と語っている。

 

生きている上で起こる事件や災害、困難をファンタジーで表現しているので、

大人になって改めて読むと、深く沁み入るものがあります。

 

また、原画のほとんどがインクで描かれており、

線の美しさと力強さに、インクの良さを再確認。

 

私もたまに絵を描きますが、色はつけず白黒のみ、ということも多く

トーベ・ヤンソンの線画やデッサンには、

少なからず影響を受けているような気がします。

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もうずいぶんとインクは使用していないので、

また、インクを使ってみようと思います。

 

2015-03-18 6:04

触れて、知る

image撮影用に、料理に合う器を探すことがあるのですが、

個人的にも食器は好きで、お店があるとつい ふらっと立ち寄ります。

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量産されている食器もシンプルで良いのですが、

作家さんの器や小物には、やはり目を引かれます。

 

以前、工藤省治さんの砥部焼の展覧会が開催されていたので

足を運んだところ、工藤さんご本人がいらっしゃって、

器についてのいろんなお話をお聞きすることができました。

 

「器の良さを知るには、必ず手に取ってみてください。

まずは、そこからです。」

 

とおっしゃっていたのが、一番印象的でした。

 

展示品ということで、触れてはいけないと思っていたので驚きました。

よく見ると、展示品も一部は購入可能なようでした。

 

やはり、作家さんの作品ともなると同じ物は一つとして無く、

今までは、恐る恐る手に取っていたように思います。

 

工藤さん曰く、

「ひとの手から生まれたものは、自然と、ひとの手に馴染むものが多い。

実際に、手に取って良さを知り、使っていくごとにまた違った顔があって

おもしろいんですよ。やはり、器は使ってこそ味が出ますから。」と。

 

じっくり手に取ってみると、作られた方の息遣いを間近に感じられて

手に触れる僅かな凹凸であったり、色使いの微妙な変化だったりも見逃せない。

 

触れて、知ることの多さ。

 

最近立ち寄った食器屋さんでは、器ごとの手入れの仕方や、

料理との相性、季節ごとの演出方法など、おもしろいお話をたくさん

していただいたこともあり、ますます、興味深くなる一方なのです。

 

2015-03-17 5:54

津嶋沙織
Saori Tsushima

アセムスタジオ
スタイリスト

写真好きの祖父の血を受け継ぎ、
写真に関わる仕事に飛び込む。
創ること、
描くこと、
表現すること は、
毎日、していたいと思う。

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