触れて、知る
個人的にも食器は好きで、お店があるとつい ふらっと立ち寄ります。
量産されている食器もシンプルで良いのですが、
作家さんの器や小物には、やはり目を引かれます。
以前、工藤省治さんの砥部焼の展覧会が開催されていたので
足を運んだところ、工藤さんご本人がいらっしゃって、
器についてのいろんなお話をお聞きすることができました。
「器の良さを知るには、必ず手に取ってみてください。
まずは、そこからです。」
とおっしゃっていたのが、一番印象的でした。
展示品ということで、触れてはいけないと思っていたので驚きました。
よく見ると、展示品も一部は購入可能なようでした。
やはり、作家さんの作品ともなると同じ物は一つとして無く、
今までは、恐る恐る手に取っていたように思います。
工藤さん曰く、
「ひとの手から生まれたものは、自然と、ひとの手に馴染むものが多い。
実際に、手に取って良さを知り、使っていくごとにまた違った顔があって
おもしろいんですよ。やはり、器は使ってこそ味が出ますから。」と。
じっくり手に取ってみると、作られた方の息遣いを間近に感じられて
手に触れる僅かな凹凸であったり、色使いの微妙な変化だったりも見逃せない。
触れて、知ることの多さ。
最近立ち寄った食器屋さんでは、器ごとの手入れの仕方や、
料理との相性、季節ごとの演出方法など、おもしろいお話をたくさん
していただいたこともあり、ますます、興味深くなる一方なのです。
2015-03-17 5:54